打井川駅:JR予土線|旅情駅探訪記

JR予土線・打井川駅(高知県:2016年5月)
旅情駅探訪記

打井川駅:旅情駅探訪記

初訪問 ~1999年3月(ぶらり乗り鉄一人旅)~

学生時代、所属していた部活動の合宿で、毎年春になると高知県に出掛けていた。

今は無き大阪高知特急フェリーに乗船して四国を往復することが多かったが、学生時代の後半は、青春18きっぷを携えて、合宿の行き帰りに四国内を少し旅することにしていた。

1999年の合宿明けは、四国全土を3日程かけて周ったのだが、その際、JR予土線にも初めて乗車し、この打井川駅で、駅前野宿の一夜を過ごした。

この時は、いわゆるインスタントカメラしか持っておらず、日没~早朝の滞在となった駅の写真は、2枚しか撮影できなかった。その2枚も、写真としてはまともなものにならなかったのだが、四万十川の向かいに僅かな民家が見られれるだけの無人駅の姿は印象に残るものだった。

インスタントカメラで撮影した夜明けの打井川駅
インスタントカメラで撮影した夜明けの打井川駅

旅の行程は以下のような計画であった。

合宿が明けて解散してから、須崎、窪川と乗り継ぎ、土佐大正まで進む。途中、家地川駅と打井川駅の周辺環境を見極めて、どちらで駅前野宿をするのかを決めた上で、土佐大正から引き返す。

まだ、インターネット環境も今ほど充実しておらず、旅のプランニングは、道路地図に頼っていた時代。地図から当たりを付けて候補を幾つか設けて、実際に旅をしながら、どこで駅前野宿をするかを決めるというのが、自分のスタイルだった。そして、車窓に眺めた打井川駅を、野宿地に決定したのだった。

窪川駅から乗車した単行気動車には、同じ部活の後輩の男女が乗り合わせていた。一つ下の後輩女子と、二つ下の後輩男子。一つ下の後輩女子は、私と同学年の男子部員と交際していたはずだが、「どうして、二人で旅しているの?」という詮索は無用。全ては、目の前にある通り。お互い気まずく、話しかける雰囲気でもない。

土佐大正駅で下車する際、後輩女子は「みんなには内緒にしててね」と一言。二人はそのまま、先に進んでいったが、こういう時、男の方はだらしなくて、女の方が堂々としている。ジャニーズ系のイケメン男子は、終始、知らん顔していたが、それから数か月後には、マネージャーの別の女子部員と付き合い始めていた。

それはさておき。

私が土佐大正駅で途中下車したのは、当時携行していた道路地図で、駅の近くに温泉記号があったからである。ひと風呂浴びてから打井川駅まで引き返し、駅前野宿するという理想のパターンで旅する予定だった。

だが、実際に駅に降り立ってみても、地図が示した場所に温泉はなく、どこにあるのかも分からなかった。地図の記号の位置が間違っていたようである。

結局、温泉は諦めて、代わりに、打井川駅までの一駅を歩いて移動することにしたのだが、この区間は、JRの営業キロでも6.9㎞。蛇行する四万十川に沿った国道だと、8㎞以上の距離がある。歩いて行くには距離があるのだが、案の定、予想以上に時間がかかる。もちろん、大正の市街地を出た後の道中に商店や食堂もなく、夕食も食べそこなった。

暗がりの国道を歩き続け、20時を過ぎてようやく駅に到着。国道から対岸彼方に、駅の明かりを見つけた時には、ほっと安堵したものだった。

携行していたお菓子で侘しい夕食を済ませたら、散歩する余裕もなくすぐに就寝。そして、翌朝は始発で出発。駅の滞在時間は僅かだったし、あまり、その雰囲気を楽しむことも出来なかったが、四国西部を初めて旅した中で、打井川駅は印象に残る駅となった。

夜明けの始発列車が到着した
夜明けの始発列車が到着した

再訪問  ~2016年5月(ぶらり乗り鉄一人旅)~

そんな打井川駅を再訪したのは、17年後の2016年5月のことだった。

この年の7月には「ちゃり鉄」の旅とWebサイトの運営を始めたのだが、5月の旅は、それを目前に控えての「乗り鉄」の旅で、四国の鉄道、全路線に乗車した。

この旅の中で、予土線は、二度乗り通しているのだが、その一度目は、窪川から松丸まで進んで駅の温泉に入り、そこから引き返して打井川に戻って駅前野宿。翌日、宇和島に抜けるという行程で、二度目は、窪川からホビートレインに乗車して宇和島に抜けるという行程だった。前者と後者の間隔は4日である。

同じ方向に二度も走り抜けたのは、予讃線の新旧両路線や、土佐くろしお鉄道の宿毛駅往復と、予土線の乗り継ぎダイヤとの兼ね合いだったのだが、その分、予土線の旅を堪能することが出来た。

打井川駅での駅前野宿の日。

この日の予土線は、終日強い雨に見舞われていた。窪川から松丸までの道中も、松丸から打井川までの道中も、車窓に叩きつけるような雨が降り、駅前野宿に不安が募る。

日が暮れてから降り立った打井川駅でも、相変わらず、強い雨が降り続く中、窪川行の単行気動車を見送り、ホームの上屋に逃げ込む。時刻は19時20分頃。日の長いゴールデンウィークだったにも関わらず、雨のせいか、既に、辺りは濃紺の夜に包まれていた。

そぼ降る雨の中、打井川駅に降り立った
そぼ降る雨の中、打井川駅に降り立った
去り行く窪川行きの普通列車を見送る
去り行く窪川行きの普通列車を見送る

雨が降り続く中、ホームの上で写真を撮影する。

打井川駅は1面1線の棒線駅で、写真を撮影することが出来るアングルも限られているのだが、雨に濡れたホームに、駅の明かりが反射して煌めく様は、侘しいながらも絵になる光景だった。

窪川方、宇和島方、それぞれに移動したりしながら、ズームを変えて、何枚も写真を撮影する。

時折、対岸の国道を行く車のライトが明滅する。それも、僅かな交通量で、駅の周辺には民家もなく、ひっそりと静まり返っている。

今夜、ここで下りる客は居らず、乗る客も居ないだろう。

訪れる者も居ないホームに夜の帳と雨だけが降り続く
訪れる者も居ないホームに夜の帳と雨だけが降り続く
とっぷり暮れた打井川駅
とっぷり暮れた打井川駅
JR予土線・打井川駅(高知県:2016年5月)
対岸の国道を行く車のライトが時折明滅する

それにしても、この雨。今夜の駅前野宿をどうするか、思案に暮れる。

17年前の駅前野宿の時、どこでどういう風に寝たのか記憶がない。

ホームの上屋で寝るわけにもいかないし、まして、この雨である。屋根があるとは言え、ベンチまで濡れている。他の場所を探したいが、雨が強すぎて、ホームから離れることも出来ずにいた。

しかし、到着してから30分程が経ち、20時前になると、ようやく小康状態になり、そのまま、降り止んだ。駅があるなら駐輪場などもある可能性が高く、ホームから見えない下の道路沿いに、それらが設置されているかもしれない。

対岸には僅かばかりの民家があり、もしかしたら、その集落内に、雨をしのげる場所があるかもしれない。

そんなことを考えて、ホームを辞し、階段を下って道路に出る。

ホームから窪川方に見えていた打井川橋に向かって歩くと、50mほどで、思った通り駐輪場が見つかった。

小さいながらも小綺麗な駐輪場は、比較的新しいものらしく造りもしっかりしていた。幸い、土砂降りの雨の中でも、周りの木々に守られて床面は乾いていた。自転車は1台も駐輪されていなかったので、利用者の邪魔になることもないだろうし、今夜の駅前野宿は、ここと決めて、早速、テントを設置した。

旅先の「我が家」を確保し、ほっと人心地ついた後、雨上がりの打井川駅周辺を散策してみる。

打井川橋から駅を眺めると、暗闇の中に、そこだけは、明るく、浮かび上がっていた。

17年前。土佐大正駅から徒歩で到着した打井川駅は、確か、こんな風に、真っ暗な山峡に浮かび上がっていたはずだ。それを見つけた時の安堵感をぼんやりと思い出す。薄暗い国道を歩き続け、遠くに、目的地の駅の明かりを見つけた時の気持ちは、恐らく、そういう旅をした経験が無ければ分からない。

ただ、夜の駅の写真だけを見たら、「こんな不気味なところで寝るなんて」と思うかもしれないが、真っ暗な山の中で、遠くに灯火を見つけた時と同じく、真っ暗な中で駅の明かりを見つけた時、ホッとした気持ちになるのは事実である。そして、いつの間にか、そういう場所で一夜を過ごすことが、無上の喜びとなった。

今夜もまた、雨を避けられる屋根付きの寝床を提供してくれた駅の姿。

明かりが灯る駅の姿は、一人旅の孤独に、そっと寄り添ってくれる。

雨上がりの夜に浮かび上がる打井川駅
雨上がりの夜に浮かび上がる打井川駅

到着時には、まだ、微かに青さを留めていた空も、この時刻になると、真っ暗になっていた。

この日は、20時20分頃に、窪川行の普通列車が到着する。そして、それが、打井川駅に発着する最終列車でもある。

打井川駅は窪川駅から3駅目ではあるが、元々、この付近と窪川との間に日常的な旅客の往来は無く、列車ダイヤは、朝に土佐大正・江川崎方面に出発し、夕方に窪川方面に戻る動線で作成されている。その為、窪川から宇和島方面に向かう下り列車は、打井川駅では19時過ぎが最終で、自分が乗ってきた普通列車とは、土佐大正駅ですれ違っていたようだ。

雨が上がった後のホームに戻ると、まだ濡れてはいたが、水たまりは消えていた。

しばらくホームに佇んでいると、遠くの暗闇に単行気動車の走行音が響きだした。姿は見えなくても、「タタンタタン。タタンタタン」という一定のリズムから、それが単行気動車だという事が分かる。

程なく、ヘッドライトのきらめきをレールに落として、窪川行の最終列車がやってきた。

列車内に乗客の姿は無く、勿論、打井川駅から乗り込む乗客も居ない。それでも、列車は律儀にドアを開閉し、自動再生の音声が、「整理券をお取りください」と虚空に向かって案内をしている。

やがて、エンジンを噴かせて、最終列車は出発していく。遠ざかる走行音は、しばらく、山峡に響いていたが、やがて、それも聞こえなくなる。

ポツンと、独り残る駅のホーム。

明かりの灯る駅の孤影に、自分の姿が重なる。

さて、そろそろ我が家に帰ることにしよう。

ホームに登る階段を下りて、夜の駅舎の姿をもう一度撮影した後、駐輪場の屋根の下に張った我が家に帰り、寝袋に潜り込んだ。駅前の県道55号線を通る車は、一台もなかった。 

雨が上がる頃には、残照もすっかり消えていた
雨が上がる頃には、残照もすっかり消えていた
窪川行きの普通列車が到着した
窪川行きの普通列車が到着した
斜面に張り出すように設けられた打井川駅
斜面に張り出すように設けられた打井川駅
斜面上のホームには階段を上ってアクセスする
斜面上のホームには階段を上ってアクセスする

改めて、打井川駅の歴史について、振り返ってみたい。

駅の開業は1974年3月1日。旅情駅としては、かなり歴史の浅い駅であるが、開業当初からの無人駅であり、1面1線の棒線駅という構造も変わらない。

予土線そのものは、前身の宇和島鉄道による最初の区間開業が1914年10月18日まで遡る。そして、それから40年近く経た1953年3月26日に江川崎まで延伸し、窪川まで結ばれたのは、更に20年以上を経た1974年3月1日。

つまり、打井川駅は、予土線の最後の開通区間に設置された新設駅なのである。

全通まで60年もかかった予土線は、その長さが暗示するように、当初から赤字路線だったのだが、その建設史については、文献調査記録でまとめることにする。

駅の所在地は、高知県高岡郡四万十町打井川。駅名は地名に拠っている。

「JR・第三セクター 全駅名ルーツ事典(村石利夫・東京堂出版・2004年)」では、「大正町の南部を流れる打井川は、四万十川の支流である。この川沿いに口打井川、中打井川、奥打井川といった小集落がある。ウツは「狭い谷」のことで、打井川とは「狭い谷川、渓谷」の意だという」との記載がある。

「角川日本地名大辞典 39 高知県(角川出版・1986年)」で更に調べてみると、打井川は「仁井田川(四万十川)に合流する打井川の流域と合流地点の対岸に位置する。山間地域。地名のウツは狭い谷を意味するところから(地名の語源)、狭い谷川の意と思われる」とあり、織豊期から明治22年にかけては、宇津井川村という村名が存在していたことを記している。

近年、この打井川駅は、「海洋堂ホビー館」の最寄り駅として知られるようになり、予土線にも「海洋堂ホビートレイン」が観光列車として走るようになった。この「海洋堂ホビー館」は、2004(平成16)年3月で休校となった旧打井川小学校の跡地を利用した観光施設で、小学校の設置自体は、1897(明治30)年のことである。

四万十川を挟んで打井川駅の対岸にある小集落が口打井川で、打井川に沿って遡った所に、中打井川、奥打井川といった集落が存在しているが、これらの集落も含めて、大字の打井川は大正町域に含まれており、駅の鉄道ダイヤに関して既に述べたように、窪川方面よりも大正方面と結びついた地域であった。

以下には、この打井川駅周辺の地形図や空撮画像の新旧対比図を掲載する。図は、それぞれ、切り替え可能である。

地形図:打井川駅周辺広域図
旧版地形図:打井川駅周辺広域図(1936年4月_6月発行)
地形図:打井川駅周辺広域図
旧版空撮画像:打井川駅周辺広域(1975年11月3日撮影)空撮画像:打井川駅周辺広域
旧版空撮画像:打井川駅周辺広域(1975年11月3日撮影)
空撮画像:打井川駅周辺広域

新旧地形図を対比しても、打井川駅周辺の集落の様子などは、殆ど変化がない。ただ、旧版地形図を見ると、打井川橋に当たる橋はまだ架橋されておらず、口打井川集落との間に渡し舟の記号がある。この渡し舟は、四万十川の上流にも、他に2か所描かれているのが分かるだろう。

新旧空撮画像も大同小異だが、打井川橋は架け替えが行われているようで橋の位置が違うほか、所々にみられる耕地の様子にも、若干の違いがみられる。

ただ、いずれを見ても、打井川の流域は、狭く小さな谷であり、これが「ウツ」と表現されたという歴史を実感することが出来る。

さて、打井川駅の駅前野宿に戻ることにしよう。

夜のうちに雨はすっかり上がり、夜明け前の打井川駅は、路面も乾き、一日の快晴を予感させる雲一つない空が広がっていた。ホームに上がれば、辺りの山の嵐気と昨夜の雨の名残で、しっとりとした空気が漂っていた。

夜明け前の大気は、黒から濃紺、濃紺から群青と明けていき、まだ、青みを残したまま、空が白み始めている。しかし、打井川橋の照明はまだ灯っており、駅の周辺は、まだ眠りの中に居た。

まだ青みを残した大気の底で、駅は静かに佇んでいた
まだ青みを残した大気の底で、駅は静かに佇んでいた
JR予土線・打井川駅(高知県:2016年5月)
夜の名残を残しながら、山峡は次第に明けていく
昨夜来の雨で少し濁った四万十川を眼下に望む
昨夜来の雨で少し濁った四万十川を眼下に望む
JR予土線・打井川駅(高知県:2016年5月)
作業道の脇から眺めた打井川駅

打井川橋を渡って、口打井川の集落まで足を延ばしてみる。

昨夜来の雨で、四万十川は薄く濁っていた。あれだけの雨が降っても、濁流と化していないところが、四万十川らしいとも言える。

四万十川が刻んだ峡谷に比して、打井川の谷は、それと気づかないくらい狭く小さな谷口を開いており、打井川駅や予土線も、か細く小さな存在でしかない。

快適な一夜を与えてくれた駐輪場は、木立の下に見える。寝るという行為に必要なスペースが、以下に小さなものなのか、改めて実感する。

口打井川の集落は、その名の通り、打井川の谷口の真向いにある。集落といっても、民家が数軒あるだけで、その規模はごく小さい。鉄道も道路も未整備だった時代、ここで渡し舟に乗って、人々が往来したのだろうが、その痕跡は残っていない。

打井川橋から望む打井川駅
打井川橋から望む打井川駅と打井川の谷口
駅から少し離れたところに公衆トイレと駐輪場が設けられている
駅から少し離れたところに公衆トイレと駐輪場が設けられている
打井川駅と、対岸にある口打井川の集落
打井川駅と、対岸にある口打井川の集落

集落内の散歩を終えて、駅まで戻ってきた。

四万十川が刻んだ峡谷の底までは、まだ、朝日が届いていないが、東の稜線は眩しく輝き、辺りの山の頂を照らし始めている。間もなく、日の出を迎えるようだ。

擁壁の下から駅を見上げる。

待合室は虚空にせり出しており、何とか、駅を設置したという風情である。

ただし、既に述べたように、打井川駅は、窪川~江川崎間開通時に設置されており、後付けの駅ではない。周囲に、駅設置の適地が無かったという事であろう。

ホームに上がってみると、打井川駅は、緑に包まれていた。

コンクリート擁壁の上のホームには、階段を登っていく
コンクリート擁壁の上のホームには、階段を登っていく
JR予土線・打井川駅(高知県:2016年5月)
山の端に朝日の輝きが差し始める
緑が心地よい打井川駅
緑が心地よい打井川駅
打井川駅の駅名標
打井川駅の駅名標
苔生した擁壁やホームが、湿潤な気候を物語る
苔生した擁壁やホームが、湿潤な気候を物語る

程なくして、稜線から朝日が昇ってきた。

物理的な現象としてみれば、朝日と夕日とで、何か違いがあるわけではないだろうが、主観的な印象では、朝日には活力や希望がみなぎり、夕日には感傷や郷愁がある。

打井川駅で迎えた朝日も、そんなエネルギーに満ちていた。

ホームにも朝日が差し始め、苔が金色に輝き始める。窪川方は緑のトンネルとなっているが、そこに朝日が差し込み、印象的な風景が広がっている。

駅前野宿で訪れたからこそ出会うことのできる、打井川駅の姿だった。

窪川方の緑のトンネルは、1999年3月の訪問時に撮影した写真を見ると、まだ、トンネルの体を成しておらず、この20年弱の間に、樹木が旺盛に成長したことを物語っていた。

朝日は活力を与えてくれる
朝日は活力を与えてくれる
ホームにも朝日が差し始めた
ホームにも朝日が差し始めた
JR予土線・打井川駅(高知県:2016年5月)
朝日が差し込む駅の姿が印象的
窪川方には緑のトンネルが続く
窪川方には緑のトンネルが続く
四万十川の峡谷に強い朝日が差し込み始めた
四万十川の峡谷に強い朝日が差し込み始めた
JR予土線・打井川駅(高知県:2016年5月)
眩しい朝日の海の中に佇む打井川駅

印象的な駅の風景を、写真に収めているうちに、出発の時刻が近づいてきた。

線路脇に出る杣道からの写真を撮影した後、名残惜しい気持ちを抱きつつ、荷物を背負って、列車の到着を待つことにした。

昨日の激しい雨が嘘のように、雲一つない空が心地よい。

今日は、この後、松山市内まで足を延ばし、下灘駅に戻って駅前野宿の予定なのだが、瀬戸内海に沈む夕日を楽しむことが出来そうだ。

ほどなく、緑のトンネルの向こうに、始発列車が姿を現した。

存続の危機にある予土線。

次に、駅前野宿で訪れる時まで、この駅も路線も、存続していることを望みながら、到着した列車に乗って、駅を後にした。

緑のトンネルの向こうに始発列車が姿を現した
緑のトンネルの向こうに始発列車が姿を現した
JR予土線・打井川駅(高知県:2016年5月)
清々しい打井川駅を出発する時が来た

少し感傷的な気持ちで駅を後にしたのだが、乗車した普通列車は、無人の貸し切り状態。乗客の代わりに、新聞の束が積まれていた。今では、小口貨物の輸送に鉄道が使われるという事も少なくなったが、ここでは、辛うじてその役割を果たしているらしい。

朝日に輝く四万十川を眺めながら、車窓風景を楽しむことが出来た。

乗車した始発列車は貸し切り状態だった
乗車した始発列車は貸し切り状態だった
打井川駅を出た列車は四万十川に沿って土佐大正駅に向かう
打井川駅を出た列車は四万十川に沿って土佐大正駅に向かう
蛇行する四万十川に沿って走る区間も長い
蛇行する四万十川に沿って走る区間も長い
昨夜来の雨で四万十川はやや濁っていた
昨夜来の雨で四万十川はやや濁っていた
蛇行を重ねる四万十川
蛇行を重ねる四万十川

続く訪問は、その4日後。

打井川駅を出た後は、下灘駅、土佐穴内駅、鯖瀬駅、佐賀公園駅と駅前野宿を重ね、再び、窪川駅から宇和島方面に抜ける行程で、予土線に乗車した。

この時は、鉄道ホビートレインに乗車する。日中に運転される観光列車だけあって、前回の貸し切り状態とは打って変わって、車内は立ち席も出る乗車率だった。

打井川駅にも再度停車。

この日は、高曇りの天候で、4日前のような朝日を浴びる風景ではなかったが、四万十川は水流も落ち着き、青緑色を取り戻していた。

今回は、途中下車もせずに、そのまま、駅を見送ったが、去り行く列車の最後尾の窓から眺めていると、途中下車した男性の他に、自転車を押して歩く、地元の人の姿も見えた。

予土線の線路は、四万十川河畔の斜面を削った路盤の上に敷設され、周辺に平地が広がることは少ないが、時々、思い出したかのように小さな平地が開け、そこには、田んぼなどが作られている。

窪川~江川崎間は、車窓に四万十川を眺める核心部分ではあるが、鉄道建設公団によって建設された区間だけあって、四万十川の蛇行には付き合わず、トンネルと橋梁で、直線的に進むところも多い。

それでも、四万十川を眺める区間は長く、風景を楽しむことが出来る。

また、蛇行する四万十川に沿った国道などと比べて、鉄道の所要時間が短縮されていることもあって、命脈を保っている側面もある。

いずれまた、この路線も、「ちゃり鉄号」で訪れることになろう。

予土線に乗って現地入りし、四万十川に沿った数駅間を、のんびりサイクリングする。

そんな楽しみ方を通して、予土線やその沿線の活性化に貢献出来たら、嬉しいものである。

家地川駅から打井川駅に向かう路線風景を最後尾から撮影
家地川駅から打井川駅に向かう路線風景を最後尾から撮影
鉄道ホビートレインは観光客で賑わっていた
鉄道ホビートレインは観光客で賑わっていた
打井川駅手前のカーブを行く
打井川駅手前のカーブを行く
4日ぶりの打井川駅に停車
4日ぶりの打井川駅に停車
今回は下車せず車窓に駅を見送る
今回は下車せず車窓に駅を見送る
濁りが消えて青さを取り戻した四万十川に沿って走る
濁りが消えて青さを取り戻した四万十川に沿って走る
所々に田んぼも広がる沿線風景
所々に田んぼも広がる沿線風景
所々に落石覆いが設置されていた
所々に落石覆いが設置されていた
四万十川に架かる仁井田川橋梁を渡れば土佐大正駅も近い
四万十川に架かる仁井田川橋梁を渡れば土佐大正駅も近い

打井川駅:文献調査記録

現在、資料収集中

打井川駅:旅情駅ギャラリー

2016年5月撮影(ぶらり乗り鉄一人旅)

一人佇む打井川駅の夜
一人佇む打井川駅の夜
土砂降りの雨が降り続く
土砂降りの雨が降り続く
苔生した駅のホームが時の流れを静かに物語る
苔生した駅のホームが時の流れを静かに物語る
車内に乗客は無く、乗り込む客も居なかった
車内に乗客は無く、乗り込む客も居なかった
この先行く方、予土線は四万十川を車窓に眺めつつ進む
この先行く方、予土線は四万十川を車窓に眺めつつ進む
四万十川を見下ろしながら佇む打井川駅
四万十川を見下ろしながら佇む打井川駅
近傍の作業道を辿ると線路脇に出た
近傍の作業道を辿ると線路脇に出た
四万十川の雄大な流れの中で、打井川駅は小さな存在でしかない
四万十川の雄大な流れの中で、打井川駅は小さな存在でしかない
山の端に朝日の気配が登ってきた
山の端に朝日の気配が登ってきた
昨夜の雨の余韻が残る打井川駅を朝の空気が包む
昨夜の雨の余韻が残る打井川駅を朝の空気が包む
日の出を迎えた打井川駅
日の出を迎えた打井川駅
6時前の旅情駅に美しい情景が広がる
6時前の旅情駅に美しい情景が広がる
朝の強い日差しが駅の窓を明るく照らす
朝の強い日差しが駅の窓を明るく照らす
感傷的な夕日と違って、朝日はエネルギーを感じさせる
感傷的な夕日と違って、朝日はエネルギーを感じさせる
刻一刻と変わりゆく駅の姿に目を奪われた
刻一刻と変わりゆく駅の姿に目を奪われた
印象的な窪川方の風景
印象的な窪川方の風景
一夜の思い出を胸に、始発列車を待つ一時
一夜の思い出を胸に、始発列車を待つ一時
予土線の存続と再訪を願いながら駅を後にする
予土線の存続と再訪を願いながら駅を後にする
民家は対岸にあるが、こちら側にも田んぼなどが点在していた
民家は対岸にあるが、こちら側にも田んぼなどが点在していた
朝日を受けて輝く四万十川が印象的
朝日を受けて輝く四万十川が印象的
駅の下には地元の人の姿が見られた
駅の下には地元の人の姿が見られた
昭和後期の開業区間だけに路盤も高規格
昭和後期の開業区間だけに路盤も高規格

打井川駅:地図画像

国土地理院地図画像

地形図:打井川駅周辺図
地形図:打井川駅周辺図

空撮画像

空撮画像:打井川駅周辺
空撮画像:打井川駅周辺

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